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【コンサート】富平アートセンター7周年記念音楽会 (부평아트센터 7주년 기년 음악회) @ Bupyeong Art Center, Incheon《2017.4.8》

富平アートセンター7周年記念音楽会ポスター

  2016年にミュージカル『ロッキー』が公演中止になってから舞台のお仕事から遠ざかっていた大好きな韓ミュ俳優のユン・ヒョンリョルさん。2016年10月の『紳士達の品格』コンサートからもう半年も大好きなペウニムの生歌が聴けていない、もう耐えられない!ということで突発でペウニムが出演するコンサートのためだけに渡韓してしまいました。そのコンサートが『富平アートセンター7周年記念音楽会』でした。コンサートの出演者は下記のとおり、

 指揮者 : パク・サンヨン さん
 オーケストラ : モストゥリ・フィルハーモニック・オーケストラ
 ピアニスト : チョ・ジェヒョク さん
 バリトン歌手 : ウ・ジュホ さん
 ミュージカル俳優 : チャ・ジヨン さん、ユン・ヒョンリョル さん

でした。ミュージカル『ザ・デビル』の2014年初演公演の動画でずっと気になっていたチャ・ジヨンさんがお子さんを出産後久しぶりに出演するコンサートだということもこの突発遠征を決める後押しになりました。

 「え、単独じゃないコンサートのためだけにわざわざ渡韓したの?しかもマチソワできないのに?」

といろんな方が心の中で思ったでしょうが(実際、私の脳内に生息するツッコミ担当のオバチャンもそう思った)、本人全く後悔しておりません(*´꒳`*)

 コンサートは二部構成で、第一部がオーケストラが主役のクラシックの演奏、第二部がオペラ歌手、ミュージカル俳優を歌い手として中心に据えた構成となっていました。コンサートのセットリストは以下のとおり。

第一部

第二部

  私は高校時代の部活が弦楽部だったこともあり、昔はクラシックの曲もよく聞いていました。ミュージカルの舞台でオケの演奏を聴くことは多くても、純粋にオケの演奏を楽しむクラシックのコンサートからは縁遠くなっていたこの十年あまり。なので、久々のクラシック音楽のコンサートである第一部の演奏会も密かに楽しみにしていました。しかも、第一部のメインはつい一ヶ月ほど前にミュージカルで触れて、その偉大なる音楽の力に感動したラフマニノフピアノ協奏曲第2番!偶然の巡り合わせですが、あの素晴らしい観劇体験の後だったので、より一層演奏を楽しむことができました。音楽の盛り上がりとともにミュージカル中の場面を思い出して実はこっそり泣いていました。やー、久しぶりでしたがやっぱり大編成のオケの演奏はすごくいいです。楽器の演奏だけで身体中の産毛がぶわーっとたつあの感じ。音楽の力は偉大なり。

 ピアニストのチョ・ジェヒョクさんはフォーマルなブラックスーツにあえて合わせてきたのだと思われる、黒地にショッキング・ブルーの水玉模様のソックスからお茶目な性格が伺えて。(ジェヒョクさんがピアノの前に座った瞬間にズボンの裾から覗いたかわいらしいヤンマルにややざわめく会場のみなさま ㅋㅋㅋ) キャラクターとしては、どっちかというとジェヨンさんのラフマニノフじゃなくてドンファさんのダール先生を彷彿とさせる、笑うと目尻がクシャッとなる笑顔がかわいくて素敵なチャーミングなおじさまでした。ピアノの演奏はもちろん素晴らしく。アンコールの「幻想即興曲の演奏もすごくよかった!

 ジェヒョクさんが別のオケとラフマニノフピアノ協奏曲第2番を演奏している動画を見つけたので紹介しておきます。ミュージカル『ラフマニノフ』を観に行く予定の方は予習にもどうぞ!


Rachmaninov Piano Concerto No.2 [1st/3rd Mov] : 조재혁 & Millennium Symphony Orchestra

  第二部の最初の歌い手はバリトン歌手のウ・ジュホさん。オペラ歌手らしい恰幅のいいロマンスグレーのおじさまでした。声フェチが最終的にたどり着くのはオペラだという説もありますが、当然ながらいいお声!カルメンの「闘牛士の歌」では聴衆に手拍子を求める陽気なジュホさん。

 そしてそして私的にその日のメインイベント!ついにヒョンリョルさんの登場です。待っていました!半年は長かった・・・。はにかむようなあのヒョンリョルさんの笑顔を見てなんだかホッとしてしまいました。

 声楽畑バリバリのオペラ歌手(しかも同じ音域のバリトン歌手)の直後の登場でもやっぱり素敵なヒョンリョルさんの歌声にうっとり(*´꒳`*) しかもその日最初に歌った曲は、ヒョンリョルさんが歌う姿を動画で見たこともなければ、もちろん生でも初めてのラマンチャの男』の「見果てぬ夢」!ヒョンリョルさんのよく響く低めのいい声を堪能できる素敵ナンバー!オケの演奏をバックに歌うコンサートということを考慮しての選曲だと思いますが、すごく素敵だったんで他のコンサートとかでもこの曲歌ってくれればいいのに。2曲目はコンサートでよくヒョンリョルさんが好んで歌っているノダムの「大聖堂の時代」。ヒョンリョルさんが韓国初演キャストを務めたカジモドのナンバーではなくグランゴワールのナンバーですが、この曲も作中で一二を争う好きなナンバーなのでうれしい^ ^ とにかく本当に本当に久しぶりのヒョンリョルさんの生歌だったので、始終気持ち悪いニヨニヨ笑いが止まらず(*´꒳`*)

 そしてヒョンリョルさんが二曲を歌い終わった後は、チャ・ジヨンさんの登場!大きめの黒いジャケットのパンツスーツというマニッシュなスタイルがとてもよく似合う長身の美人さん!かっこいい!

 ジヨンさんが最初に歌ったのはミュージカル『西便制』の「生きてみれば」。初めて聞く曲だったのですが、どことなく大河の流れを連想するスケールの大きい雰囲気が印象に残るナンバーで。帰国後気になって調べてみたら、その歌詞がまた素敵でミュージカルも観てみたくなりました。歌詞の翻訳を紹介しているブログ記事を見つけたのでご紹介します。

ameblo.jp

 ジヨンさんの2曲目はABBAの名曲「Dancing Queenを原曲の英語歌詞で歌唱披露。手拍子を求め、歌詞の合間合間に会場に掛け声をしてノリノリのジヨンさんに会場も大盛り上がり!姐さんかっこいい!年下だけど!

 さて、ヒョンリョルさん、ジヨンさん、それぞれの持ち歌を知っている方にとって次の2曲はどちらがどっちを歌ったか一目瞭然でしょうが、曲を知っていても二人をよく知らない方がセットリストを見たなら、ジヨンさんが「You Raise Me Up」、ヒョンリョルさんが「タバコ屋のお嬢さん」を歌ったんだと思うのではないでしょうか。違うんだなー、これが。

「クラシック中心のコンサートだからもっとお客さんはおとなしいと思っていました。みなさん最高です!盛り上がった後なのにこんな選曲してすみません」

というようなことを言って恥じらいながら、次のナンバー「You Raise Me Up」を紹介したのはヒョンリョルさん。ジヨンさんがあまりにも男前なのも手伝って、だんだんとヒョンリョルさんが乙女に見えてきました。かわいいなぁ、もう。この曲はヒョンリョルさんも英語で歌唱披露。疲れている時に聴きたくなるいい曲ですよね。歌いだし前に小さな男の子が発した「ユン・ヒョンリョル、ファイティン!」との掛け声に思わずドッと笑い声が漏れる会場。それを受けて、ヒョンリョルさんも照れくさそうな笑顔。かわいいなぁ、もう。

 そして爆音のバンドの音源をバックに「タバコ屋のお嬢さん」を熱唱したのはジヨンさん。やっぱりノリノリのジヨンさんに導かれて、手拍子にヒューヒューという歓声もあがり、またもや会場は大興奮!私もヒューヒュー言っちゃったよね。だってカッコよすぎるんだもん、ジヨンさん。惚れた。姐さんかっこいい!

 そして大いに沸いた会場にヒョンリョルさんが再び戻ってきて、最後に二人がしっとり歌い上げてくれたのはディズニーの映画『アラジン』から「A Whole New World」。二人が歌ったのはミュージカル版でも映画の劇中版でもなく、艶やかな映画のエンドロールバージョン。なんて私得なデュエット!!また聴きたい。あー、なんかの作品でまたこの二人で共演してくれないかなぁ。

 二人が一度舞台すそにはけてからは、豪華なケーキがのせられたカートをヒョンリョルさんが押しながら二人で再登場。そう、すっかり忘れていましたが、このコンサートは富平アートセンターの7周年記念のコンサートだったのです。というわけでみんなで「ハッピーバースデートゥーユー」ならぬ「センイルチュッカハムニダ」(생일 축하합니다) を歌ってお祝い。ケーキに飾り付けられたローソクになかなか火がつかず、ロウソクの火を吹き消すタイミングまでライターのスイッチを押したままで強引に押し切ったのはジヨンさん。ロウソクに手で支えていたのはヒョンリョルさん。姐さんどこまで男前なんですか。ついていきます!


20170408 부평아트센터 7주년기념 음악회

 最後はオケの演奏でパパシュトラウス「ラデッキー行進曲」で明るくしめくくり。ヒョンリョルさんの歌声が恋しくて決めた突発遠征でしたが、それ以外の部分でもものすごく楽しめて、とても満足度の高いコンサートでした!(*´꒳`*)