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劇場に行くためにどこでもドアが欲しいミュージカルオタクの観劇記録と観るためのあれこれ

【観劇レポ】ミュージカル『ジキル&ハイド』(지킬 앤 하이드, Jekyll & Hyde) @ Charlotte Theatre, Seoul《2018.12.31ソワレ》

 2018年の観劇納めはミュージカル『ジキル&ハイド』(지킬 앤 하이드, Jekyll & Hyde) を観てきました。もはや私が説明するまでもないフランク・ワイルドホーン氏作曲作品の代表作とも言える超有名ミュージカルですが、私はこの時が初めての観劇。そんな私の初めてのジキハイ観劇の主役級キャストのみなさまは、キャストボードの写真の通り、以下のみなさまでした。

 ジキル/ハイド:ホン・グァンホさん
 ルーシー:ヘナさん
 エマ:ミン・ギョンアさん

 プリンシパル・キャストのみなさまをアップで撮った写真も貼っておきます。

あらすじ

 あまりにも有名な作品なので私が紹介するまでもなくみなさんすでにご存知な気もしますが、インターパークから借りてきたあらすじを引用してご紹介します。

 1885年、ロンドン。有能な医者で科学者のヘンリー・ジキルは愛する恋人のエマとの結婚を控えている。何もかもを手にしているかのように見える彼にとって、たった一つの心配事は精神疾患を患う父のことだった。ジキルは父をはじめ精神疾患で苦しむ患者を救うため、人間の精神から善と悪を分離する治療薬の研究を始める。薬は人を対象にした臨床実験の段階に入ったものの理事会の反対で実験はできず、ジキルの友人で弁護士のアターソンは落胆する彼を慰め、ウエストエンドのクラブに連れて行く。

 ジキルはそこで酒に酔った人々からしいたげられているルーシーを見つけ、友人が必要なら訪ねておいでと自分の名刺を彼女に渡す。ルーシーはほかの人たちと違い、自分を人間的に扱ってくれるジキルに好感を抱く。

 クラブから戻ったジキルは、この研究は自分にしか解決できないと気づき、自らの体で実験することに。彼は願いどおり善と悪を分離することに成功するが、次第に悪に満ちた第2の人物、エドワード・ハイドがジキルを掌握するようになり、やがてコントロール不可能な状態に至る。

 実験が進むにつれジキルとエマの間は遠ざかり、そんなさなかに傷ついたルーシーが彼を訪ねてくる。ジキルは彼女を傷つけたのがハイドだと知り、不安にさいなまれる。

 一方、ハイドはジキルの実験に反対した理事会の役員たちを一人ずつ殺害し始める。危険を察知したジキルは再び薬を使ってハイドを眠らせることに成功するものの、思いがけない瞬間にまたしてもハイドが登場し…。

感想

(以下、ネタバレが含まれるのでご注意ください)

 このブログを読んでくださっている方の中にはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私が韓国ミュージカル沼に勢いよくダイブするきっかけになったのがホン・グァンホさんで、そのグァンホさんのコンサートに行くために初渡韓したのが4年前の2015年の2月。「ホンサート」という名前がついていたそのコンサートでグァンホさんが歌った曲の中でも特に印象深かった曲のひとつがまさにミュージカル『ジキル&ハイド』の劇中歌、「チグミスンガン」(지금 이 순간) こと「This is the Moment」だったのでした。ちなみにその「ホンサート」のレポはこちら。

 いつか舞台で実際に役を演じているグァンホさんがこの曲を歌っているところ聞きたいと思って4年弱。とうとうその念願が叶って感無量でした。なんというか、グァンホさんの歌声って波動砲のようですよね。久しぶりに純粋に歌声だけでぞわぞわ〜っと鳥肌が立つ感覚を味わいました。歌声だけでシャルロッテ劇場の壁にヒビが入りそう。ジキル博士からハイド氏になってからの


 

 もすごく頭に残る。えーと、これで伝わっていますかね?(←)グァンホさん以外のキャストのみなさまも歌ウマ揃いで迫力のパフォーマンスで、その点では凄く満足度が高かったです。特にヘナさんのルーシーとギョンアさんのエマの二人の女子が良かった!

 だけど正直なところ、『ジキル&ハイド』の物語は私の好みではありませんでした。特にラストが納得いかなくて。ハイド氏の人格の脅威を一番わかっているだろうに、なぜエマと結婚するかな、ジキルさん。そして何故よりによって結婚式という晴れの舞台で自決することを選ぶかな、ジキルさんよ...。ルーシーも不憫すぎるし。そんな好みの分かれる物語を圧倒的な歌唱力を持つキャストのパワーでぶっ飛ばしている感が韓国のジキハイにはある気がします。うーん、でも、納得いかぬ。慣れの問題なのかなぁ...。

 というわけで大好きなグァンホさんですが、『ジキル&ハイド』の観劇は2018年の大晦日のこの1回だけになりそうです。とかいいながら、「国宝級」と名高いチョ・スンウさんのジキハイを観れるのであれば観てみたいと思っているのですが。でも「できれば観てみたい」程度の覚悟の人間にはスンウさんのジキハイのチケット入手はかなり険しき道なので潔く諦めます...。思い返せば、2018年はグァンホさんの『ハムレット:アライブ』が観劇初めだったのでグァンホさんに始まり、グァンホさんに終わった2018年の観劇ライフだったのでした。