2018年から2019年にかけた年末年始の観劇の第一弾はドゥサンアートセンターのヨンガンホールでミュージカル『ザ・デビル』(더 데빌, The Devil) を観劇してきました。2017年の再演の観劇では色々と撃沈してしまった本作品なのですが、こういうものだと思って観たからなのか思いの外楽しめた11月のリベンジ観劇。今回は前期はX-WHITEだったイム・ビョングンさんが演るX-BLACKが観たいというのと、ソン・ヨンジンさんのかっこいいマイクスタンドパフォーマンスがまた観たいということでチケット購入。といわけで、私が観劇した回のキャストはキャストボードの写真の通り、
X-WHITE（Xホワイト）：キム・ダヒョンさん
X-BLACK（Xブラック）：イム・ビョングンさん
JOHN FAUST（ジョン・ファウスト）：ソン・ヨンジンさん
GRETCHEN （グレッチェン）：イ・ハナさん
でした。奇しくもジョンとグレッチェンは初めて『ザ・デビル』を観劇した時と同じ組み合わせ。ミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』でフルター博士とマジェンタとして観たお二人でもあります。（お二人の役の振り幅よ！）
登場人物と作品のタイトルから察された方もいるかと思いますが、『ザ・デビル』はゲーテの戯曲『ファウスト』を下敷きにしたミュージカルです。超ざっくり書いてしまうと、原作の『ファウスト』は神と悪魔メフィストフェレスがファウストという一人の男をネタに人間の善悪について賭けをするという内容ですが、今回の三演版デビルは神（X-WHITE)と悪魔（X-BLACK）の勝負という原作に沿った設定が強調された演出になっているようです。何故こんなに歯切れの悪い言い方になっているかというと、私自身は2017年の再演版と今回の三演版の変化について、「え、なんか変わったんですか？」という理解レベルだからです（爆）いいんです、デビルのかっこいい音楽を堪能するためにはその辺の細かいことはわからなくても多分大丈夫だから！（←）
というわけで、ビョングンさんのXブラックとヨンジンさんのジョンを堪能してきました。ビョングンさんのブラックは期待通りめっちゃかっこいい！前回観劇時のチャ・ジヨンさんのXブラックは迫力とオーラがあり、ロックで男前な感じのXブラックだったのですが、ビョングンさんのXブラックは上品で妖しい雰囲気のブラックとでも言いましょうか。手先の表現がとても艶やかなXブラックで、Xホワイト役のダヒョンさんと共になんというか、ノーブルな雰囲気のあるXです。とても『二十日鼠と人間』のレニーを演っていた人と同じ人と思えない！ダヒョンさんは相変わらず美人さんなので、Xが二人揃う場面はなんともお耽美な雰囲気。
2018-2019年版『ザ・デビル』公演ハイライト動画１
1曲目を歌っているのがビョングンさん、3曲目を歌っているのがダヒョンさんです。
前回観劇時のキャストのみなさんも歌ウマ揃いでとても良かったんですが、ストーリーを理解すると言う意味では今回のキャストの方がわかりやすかった気がします。誘惑に負けて、どんどん闇に呑み込まれていくジョンを演じるヨンジンさんの堕ちていくとともに増してくるギラつきだとか、ジョンが最初のXカードに署名して契約した直後から少しずつ狂っていく様子が伝わってくるハナさんのグレッチェンとか。ブラックとホワイトが両方男性であることによって、グレッチェンが悪魔の花嫁になったんだというのがビジュアル的にわかりやすくなったり。（ブラックドレス姿のジヨン様ブラックの胸に抱かれるイェウンさんグレッチェンはそれはそれで別の趣があって素敵でしたが）そしてハナさんの「MAD GRETCHEN」迫力が凄くてめっちゃかっこいい。
ヨンジンさんのマイクスタンドパフォーマンスはやっぱりかっこいい！細かいですが、「Guardian Angel」の導入部でマイクスタンドを重い荷物のように引きずって運ぶところとかもすごく好きです。ヨンジンさんファウストのロックな歌い方もかっこよくて好き。ヨンジンさんは2014年の初演からのキャストですが、初演の時に「Guardian Angel」、「Possession」の二曲が音源として残されていて、特にハン・チサンさんとの「Possession」のデュエットが鬼のようにかっこいいので興味がある方は是非検索してみてください。（[2021/8/9 修正] 残念ながらリンクを貼っていた公式のSoundCloudの音源は削除されてしまったみたいです…）
熱心に歌詞翻訳した楽曲以外は相変わらずさっぱり聞き取れないのですが、やっぱりめちゃくちゃかっこよく大好きな『ザ・デビル』の楽曲。歴代キャストを集めたキャスト・レコーディングとか出して欲しいです。めちゃくちゃヘビーロテーションでリピートすること間違いなし！
